いのちの食べかた

公開前からずっと気になってたものの上映劇場が近くになく、そろそろDVDになったかな~とネットで調べてたら、偶然近場で上映されるコトを知り、やっとこ本日ガーちゃんと観に行って来ました。

日頃私たちが口にしている食べ物が、どのようにしてつくられているのか。
現代の食糧生産事情を描くドキュメンタリー映画。

冒頭から豚がぶら下がっている場面から始まり、特にナレーションがあるワケでもなく、淡々と流れ作業のように場面が移り変わっていく。
家畜がお肉になるところも、魚がさばかれてるところも、野菜の収穫も全てが同じ扱い。
フと、スクリーンに映し出される家畜たちが脳内でニンゲンに変換される。
ムリヤリ生まされ、肥やされ、吊るされ・・・。
スーパーに行くとパック詰めされているお肉も、こうしてつくられているんだと思うと全然重みが違って来る。
また、映画に出てくるのがどこの国か分からないけれど、規模のあまりの大きさとムダのなさに唖然呆然。

鑑賞中頭をよぎったのは、貴子が肉を食べなくなったという書き出しから始まる、中島らも著の 「人体模型の夜」 に収録されている 「貴子の胃袋」 。

人間は肉にしろ、魚にしろ、野菜にしろ、他のいのちをいただいて生きている存在。
自分の手で直接いのちを奪ってなくても、結局は同じこと。
むしろ何も知らず、ただ残酷だと言いながら、他の誰かが代わりに行ってくれたものを口にする偽善者。
挙句、給食費を払っているんだから 「いただきます」 を言わせるなとのたまうバカ親。
日本の食料自給率は先進国中最低なのに、世界で一番残飯を出してるのも日本だという。

鑑賞後思うことは、食べ物を大切にしようというコト。
必要以上に奪わず、いただいたものはムダにせず、感謝し、おいしく 「いただきます」

いろんな人に一度は観てもらいたい映画です。